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14シーズン入れ替え戦直前リレー 田邊 浩一郎


社会人コーチの田邊浩一郎です。


この一年、シーズン開始当初に主将の一瀬が骨折したり、学習院に勝ったと思ったら大東に負けたり、
色々ありましたが、やっとここまで来れました。

多分高校生の皆は緊張や興奮や、いろんな感情が入り混じっている事でしょう。
多分、大学生になっても、社会人になってもこの時の事は思い出すことと思います。



試合に臨むに当たり、皆に二つの事を伝えたいと思います。

ひとつは「勝って、目標を達成してシーズンを終える事が出来る貴重さ」です。
スポーツに打ち込む高校生の、また、大学生のどれ程が、
当初掲げた目標を達成し、笑って終わる事が出来るでしょうか。


かくいう私自身、高、大とラクロスに捧げてきましたが、一度も勝ってシーズンを終えた事は有りません。

それでもラクロスに打ち込んだ、過ごした日々に満足しているし、後悔もありません。
只、高校三年生の時、一部に昇格出来ていたら。大学四年生のシーズンで全日優勝できていたら。
その時の喜び、経験は何にも代え難いものであったと思います。

逆に言えばその思いがあるからこそ今こうして皆とラクロスをやっているのかもしれません。



もうひとつは「純粋に勝ちたい、と思える試合に臨む事が出来る貴重さ」です。

大学に入ってからの4年間、(当然個人差あると思いますが)正直に言うと慶應大学ラクロス部に所属していて、
「勝ちたい」と思って試合に臨んだ事は殆どありません。
大抵の試合には、「負けられない」という重圧の中、試合に臨んでいました。

この二つの思いは近いようで大きく異なり、
「負けられない」試合に勝った後に訪れるのは喜びより、安堵、でした。

ただ、大学三年次に挑んだ全日の準決勝、決勝は純粋に「勝ちたい」と思える試合であったし
、チープな言い方ですが試合中、「本当に楽しかった」。

こういったチャレンジングな試合、勝ちたいと強く願い、臨む試合はそう簡単に経験出来るものではありません。



皆は非常に貴重な、他の高校生、大学生が味わうことのできない経験をする事が出来る。
その事に感謝しつつ、この三日間を噛みしめるように、大切に過ごして下さい。

出来る準備、考え得る準備、全てやりましょう。
そして絶対に「楽しんで」勝ちましょう。

皆を信じています。